「青春ってなんでしょう。」
「青春とは希望に溢れ、夢の多い若い時期である。」
青年は得意気に言ってみせた。
それがちょっと鼻に付く。
「つまり、今が青春です。」
どこか遠くを見て、憂いを帯びている。
さっきの鼻に付く感じはもう、微塵も感じられなかった。