東雲
女郎
八橋女郎、その生きざまはまさに女郎。
体を売っても心は売らない、まさに女郎の中の女郎というイメージが湧いた。
女郎という自分に誇りを持っている、そして決して客と一線を越えない、その境界線を見極めている女。
最後は悲惨な終わり方をしているが、取りようによっては女郎らしい終わり方ではないだろうか。
別に侮蔑の意味で言っているわけではない。
いい女郎というのは誰かしらに恨まれているのではないか、そう思う。
元客の次郎左衛門、どれほど八橋女郎に惚れこんでいたのか。
女郎をテーマにした小説は初めて読んだが、とても面白かった。