作品コメント
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- 蓮水詩織
破滅の花
自分は破滅を招くと告げられて、何もかもを失った少女。
その事実こそが彼女に破滅を願わせた事に、胸の痛みを覚えました。
信じていた存在に否定され裏切られるという事は、それ程の絶望を与えるものなのだと。
そしてそんな彼女を少しずつ変えて行くのもまた人なのだと。
人を想い想われて、破滅から再生を願うようになった少女に深く感情移入して考えさせられました。 - 小泉秋歩
世界の破滅を願う少女
アヌビス大陸にある小さな村、ウラル。そこでは、17歳を迎えた者に神託を与える「成人の儀」が行われる。
明るい少女・アネモネは成人の儀で恐ろしい神託を受けた。曰く、「この娘は、わざわいの種となる」と。
その神託を恐れた村人達によって、アネモネは砂漠へと追放された。両親や親友も助けてはくれなかった。アネモネは絶望し、自分を捨てた世界を呪う。
そんなアネモネの前に、謎の美青年・ジギリタスが現れる。ジギリタスは世界を終わらせるため、「“破滅の花”の種である君を迎えに来た」というのだが――?
苛酷な運命に翻弄されるヒロインの苦悩と恋心を描くファンタジー・ロマン。
アネモネのジギリタスへの想いの切なさや、アネモネを見守る幼馴染みの青年・イェランの勇気と誠実さなどに心を動かされます。
また、世界の破滅を願い、心を固く閉ざしているジギリタスの気持ちが少しずつ変化していくのも見どころです。
文章は極めて的確でほとんど乱れがなく、各シーンが自然に映像となって浮かび上がってきます。
運命に翻弄されるアネモネの心がどのように「変化」していくのか――その姿をご堪能ください!