うのたろう

星・八月・四年まえに離ればなれになったおさななじみが、とつぜん目のまえにあらわれたときいて……
予想を裏切られた。
作者の誘導にまんまとひっかかってしまった。

くやしい。

けれども、どこかほっとしている。

拍子抜けで吐いた息が、安心の「ほっ」に変わっている。

そんな感覚だ。

この感覚を味わってほしいため、あまりネタバレはしたくない。

物語はSF。

サイエンス・フィクションでもスペース・ファンタジーでもない。

藤子不二雄で有名な「すこし・ふしぎ」な物語である。

この空気がたまらなくあたたかい。

主人公・星太は天文部に所属している。

必然的に星座の知識もでてくるが、決してこむずかしいものではなく王道をついてくるあたりが、にくい。

知識として頭に定着していなくても、どこかできいた覚えがあって、なつかしい気持ちになる。

それがこの作品の世界観ともよくマッチしている。

さて。
ここで問題。

星・八月・四年まえに離ればなれになったおさななじみが、とつぜん目のまえにあらわれた。

そうきいて、あなたはなにを想像しますか?

ぜひ一読を。