――出世する――
それ以外、
興味なかった。
貴女に出逢うまでは…
―――
時は平安
誰一人として
出世を望まぬ者はなかった。
名門・二条家の三男
二条晴孝(ニジョウハルタカ)
全てに優れた天才と謳われた
その男が唯一愛し、焦がれたのは
甥の妾妻であり
呪われた家の生き残り
相模夜美(サガミヨミ)
愛してはいけない。
裏切ってはいけない。
結ばれてはいけない。
『それでも俺はお前が欲しい。』
二人が出会ったとき
大きな歯車が動き出した。
***
和風恋愛小説です。
平安時代、関白として名を馳せた藤原道長をモデルに、政治合戦を行いながらも敵側の女を愛してしまった許されぬ恋。
天才と謳われる強引な男と
命の恩人でもあり放っておけない男
の間で揺れ動く心ーー。
嫉妬、憎悪、入り乱れた儚く切ない三角関係を描きます。