私が一番辛い時に、私を助けてくれたひと。傷つけ合う、想いだけではないと信じさせてくれた人。そんな出会いは幾つになっても有るのだと思える、そんな話です。
始まりは……どうしようもない日々の疲れと優しい雨の匂いだった。
あの日、あの時、あの場所に戻れたなら……私は絶対にルートを間違えたりしないのに。
あの手を、絶対に手放したりしないのに。
終わりのある始まりだけではないと信じさせて欲しい。
穏やかに、年月を重ねられる想いも有るのだと信じさせてください。
お願い、少しでも私を思ってくれるなら、この手を離さないで。