「これは元引きこもりの私、新波竝(あらなみなみ)と」
「世間いわく変人奇人天才の柾矢兆(まさやきざし)の物語だね。ああ、それから」
「ああ、兆間節が始まる…」



「やあ、初めまして。君は見たことのない顔だね?

…へえ、弟子志望か。僕は教育が厳しいんだ堪えれるかな?

あぁ、でも堪えれたらそれはそれで面白い!

君、名前は?」




呆れるくらいの変人




「はは、君はスランプの何たるかを理解していない!

スランプとは、周期的に訪れる自己嫌悪のようなもの。

つまり自分を良くも悪くも振り返れる機会だね!

あははっ、君はスランプかい?神に恵まれているよ!

だってほら、この世でスランプに陥らない天才なんて存在しない!」




驚くぐらい愚直





「ああ、明日までにおいで。作品、仕上げておくから」



本当に、天才なんですから







3 0 8 号 室





「…叶いませんね、先生」