崩壊・絶望ゲーム

作者夜神

裏切られる。そんなことから一人を選ぶ少女神崎理音は、クラスメートの形をした影を突如殺していくゲームをやらされて!?
一人ぼっちを変えることは出きるのか?

 私はいつも一人だ。別に友達がいないとかそういう訳じゃない。クラスでもそれなりの立場だってある。でもいつも何か足りない。

 いつからだろうか。心の中にある何かが足りていなくて、満たされていなくて空っぽだと分かったのは。

 本当は分かってる。頭の中に媚びれついて離れてくれない記憶があること。あの人の――。



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 川上真は、本当に本当に優しい彼氏だった。ずっと「大好き」でいられるんだと信じていた。一度無くした心でも`大丈夫だよ´と教えてくれた優しい彼。

 親の帰りが遅くて幼い頃から「愛情」というものをよく知らなくて、一人というのが当たり前だと思っていた。クラスでも、家でも居場所なんてものは無くて、暗闇の中に閉じ籠る毎日だった。

 高校二年に上がった時。その暗闇に光を射してくれる人がいた。明るくて笑顔が眩しく優しかった。初めて人の優しさに触れた瞬間だった。それが「川上真」だった。

 一緒に帰って話をしたり、笑いあった日々。距離は日に日に縮まっていっているんだと思っていた。

 それは私の甘さが招いた罰だ。

 近づいてなんかいなかった。すべてが何も始まってなんかいなかった。過去に色々背負っていてやっと人を信じることができた。はずだった。だけどそれは、私が甘く考えた結果だった。だから「仕方ない」と言い聞かせた。