真紗美

ふたりの接点
ファンタジー大好きな主人公の女の子は、中学時代あまりにも強く語り過ぎたのか周りに引かれ、孤独な状態になったので、高校生になってからはそれを封印。

友人の芸能ニュースも大人しく耳に入れ自己主張をせず無難に過ごしていた。

そんな彼女が市立図書館で出会ったのは……。

ファンタジー好きな主人公の話のせいか、例える様子もファンタジーの世界なのが楽しく、彼女の潔さがカッコいい。

例えば彼の事が好きな先輩に呼び出され「私がずっと好きだったから、横から入らないで」と泣かれても、理路整然と言い返す潔さ。

そんな自分を友人が認めてくれたのが嬉しくて、ホッとして崩れる可愛らしさ。

彼が陸上と向き合う姿に心を動かされ、彼に寄り添うにはどうすればいいのか、自分なりに考える力。

恋愛って不思議。
好きな人に近づきたくて、向上心も急上昇。
自分をさらけ出せる場所で、素の状態から知り合った2人。

とても読みやすく
彼が図書館に居た理由と、彼女に目を留めた理由など、徐々に出てくる話も楽しいです。

爽やかで楽しい作品でした。