深森ミモリ

残酷で愛おしい時間
テンポのある会話。
センスのいい言葉のやりとり。
彼女の「死」が物語の根底にある割には
ドライで、ユーモアがあって。
読み始めたときには、まずその部分に
惹かれました。

しかし物語が進むにつれ
ドライであればあるほど
ユーモアがあればあるほど
逆にカイロの切なさが胸に迫ります。

彼女が生きているときに
素直になれなかった2人には
悲しいけれど、2度目の死別が
必要だったのかなと思います。
彼女が成仏するためにも
カイロが将来出会う誰かを大切にするためにも。

素敵な物語をありがとうございました。