死んだ彼女が帰還した[完]

作者最中

幽霊に恋なんざするか。



空気をぎゅうと抱く俺は

はたから見たら不審者で


慰めること

触れること

愛でること


傷つけること


何一つだって出来ねんだ



これから全部忘れるんだよ


この絶望は

その準備だ


恋なんざ酷い面倒だから


死なんざ酷い野暮だから


この絶望は

その準備だ


無駄を承知で足掻くんだよ






傷つけてもやれない俺は

傷つくことでキスをした


これから全部忘れる前に


「カイロ」


珍しく彼女の微笑に許しを貰えた









レビューを下さった読者様。


とっても素敵なレビューを

本当に有り難うございます。


文字制限のため、御名前を

御紹介できなくて残念です。


申し訳ございません。