「初めまして、僕の姫君。」───精霊はそう言って微笑んだ。時は平安、都は京。心優しき姫と姫を護る精霊によるあやかしファンタジー。※『銀の月』より遥か昔の話。

風に靡く鮮やかな緋色の長い髮

静かな瞳はただ真っ直ぐに私を見つめて

口元には微かな笑みを浮かべていた。





「初めまして、僕の姫君。」







───その姿はまるで暁の海のよう。









※『銀の月』より遥か昔のお話です。

そちらを読んで頂くとより楽しめます。