もう嫌になって、逃げ道なんてなくて。
そんな私が生徒指導室で出会ったのは、
『俺は靴紐が結べない』
そう言って笑う赤髪で
制服を気崩してスリッパで、
鉛筆で汚ったない字で
反省文を書かされている
名前も学年もクラスも知らない
問題児くん。
靴紐が結べない