わたしは、大きな、家という籠に囲われ、捕らわれる女。
わたしを支配する漆黒の鴉は、わたしの身体も心も、思考すら翻弄する。





「やっと見つけた。俺の可愛いカゴメ








差し出された腕を、ただ眺めるわたしを無理やり抱き締め。






「もう放さない





のまま深く、唇を重ねる。






わたしは知らなかった。





秘められた想いも、思惑も。





知らなかった。




真実でさえ。