薄氷の鬼 ―戦国鬼譚―

作者黎崎 ヒョウ

刧は絶たねばならぬ。刧は斬らねばならぬ。刧は。刧の鎖は断ち切らねばならぬのだ……

「ほう、これは珍しいねぇ。鬼の子。それも、一人で劫を殺っちまうたぁ。こりゃぁ、末恐ろしい小娘だ」





「だけど、弱いなぁ。お前さんは。まだまだ弱い。こんなちっさい手じゃぁ、何にも守れない。救えない。お前ぇさん、強くなりたいか?」