芙佳
確率以上の恐怖
感染率1000分の1、発症率一万分の1、よって死亡率1000万分の1。というウイルスに感染している患者たちと
感染を怖れ、保身のために彼らを迫害する人々。
1000万分の1でも、その可能性に恐怖する人々の心理、現実的だと思いました。
この話を読んで、伝染病として隔離幽閉され、子孫を残すことが許されなかったライ病患者の話を思い出しました。いまだに強い偏見があるAIDS患者のことも。
「健康優良な者が正義であり、病気を移す者は悪だ、排除せよ」この理論が、いかに危険で恐ろしいものか、この小説のラストが知らしめてくれているように思えました。
ホラー作品としての恐怖を煽るなら、排除されていくシーンでのグロさを、より詳細な描写で書きこんでいけば良いかもと思います。