「神名! 行くわよ!」
行き交う人間たちが、その声に振り返った。
「ほら。ぐずぐずしないで早くしてよ!」
振り返り、小さな拳を振り上げているが、振り上げた先には誰もいない。
「あんたのせいで遅刻したら言い訳出来ないじゃん。幽霊がグズグズしてたんです。なんて言えないわ」
商店街の名物娘・絵里香(エリカ)
『何度言ったら判るんですか? 君の目には私が見えてるかも知れないけど、他の人間には見えないんですよ?』
幽霊の貴公子・神名(カンナ)
そんな二人のhistory
一話毎の短編です。
☆基本は恋愛なのですが。
若干。難しい言葉や、
ちょっと凄惨なシーンを含みます。
2007.12.11 ~