不条理な恋 理不尽な愛(完)

作者りょう

「君の持つ恋心は不条理だ。
そして、僕の抱く
君への愛は理不尽極まりない」
彼が最後に残した言葉。
それから色々あった…
脅かすような感情はもういらない。

毎年彼がくれるミモザの花。

胸が切なくなる春が来たと思う。


花言葉は「友情」


最初の何年かは 「友情が続くように…」 と贈ってくれた。

でもある年、その花に込められた 本当の思いを知る。



「あいつが忘れられなくていい。

あいつへの思いを 無理矢理失くさなくていい。

それでいいから、 ずっと俺のそばにいてほしい。

俺は君を置いて どこにも行かないから…」

ミモザの花を渡し、

手を握って全身を震わせながら

私に言った彼の精一杯の思い。


ミモザの花言葉は、友情 「秘密の愛、真実の愛、秘めた恋」


でも私は、その時には その深い想いに 応えることができなかった。

それでも彼は、 その後もそばで私を見守り、 寄り添い続けてくれた。

2年後私たちは結婚。 3年の不妊治療の後授かった命が 瑞希だった。


2012.10.14.完結