あの夏とはじまりのさんかく

作者ふうちゃん

高校生活最後の夏に
巻き起こる
ちょっとしたファンタジーストーリー

明日も明後日も。毎日、


時間は止まらない。



高校3年生になった


小早川結衣(こばやかわゆい)は少しずつ


1日1日の大切さを感じる




その日は結衣の所属する


自由部(何をしてもいい部活、非公認)で


”はくちょう座流星群の音色”とか言うものを


観測することになっていた




流星群極大時刻まで

自由部3年の5人はこの3年間を振り返っていた




「あー、戻りたいな、あの頃に。」




結衣がこぼした一言により


いままで風に吹かれていた

木々の葉の音も、


鈴虫の音も、


一切がシンと静まり返る。



時間が、止まった……?



信じられない光景に

結衣は後ずさりする


コツ…


足に何かが当たり、

見てみると。






三角の形にまるとか、しかくとか、


ボタンが付いていた



「なに、これ」



何個かボタンを押してみる




途端、柔らかく懐かしい光とともに

時間が動き始めた



「え…」



自由部たちの各々に話す会話、


木々の葉の音、


うるさいくらいの鈴虫。



結衣が

拾いあげた”それ”は時間を操れる


タイムリモートコントローラーだった