5年後のラブレター ~第二章~

作者しぃ

出会いの春に、二人で蒔いた小さな愛の種は、
長い長い時間をかけて、ようやく芽吹きました。

「裕之くん、愛してる」



『ごめん…』


最後にみた花火は哀しげで。




『裕之くんっ…』


もう、戻れないくらい、キミは遠く。




『恋の仕方も、忘れたよ…』


心を閉ざしたまま、20歳になった。




『…好きです』


ようやく踏み出せた、二度目の恋。



もう泣きたくない、幸せになりたい。


そう思っていた。



22歳、夏。



「…忘れられなかった…好きなんだ」



終わったはずの初恋が


嵐のように、心を奪う。



「これ以上…私に愛を、気づかせないで…」