出会いの春に、二人で蒔いた小さな愛の種は、長い長い時間をかけて、ようやく芽吹きました。「裕之くん、愛してる」
『ごめん…』
最後にみた花火は哀しげで。
『裕之くんっ…』
もう、戻れないくらい、キミは遠く。
『恋の仕方も、忘れたよ…』
心を閉ざしたまま、20歳になった。
『…好きです』
ようやく踏み出せた、二度目の恋。
もう泣きたくない、幸せになりたい。
そう思っていた。
22歳、夏。
「…忘れられなかった…好きなんだ」
終わったはずの初恋が
嵐のように、心を奪う。
「これ以上…私に愛を、気づかせないで…」