緑茶
たおやかで流麗
先ず、プロローグが良い。
語り調の始まりに、
罠にハマるかのように引き込まれました。
言葉はそんなに多くないのに
人物間で交わされる会話が深く、
文字の少なさを感じさせません。
全体を通して厚みがあるので
頁数の少なさも感じません。
そして花魁!
京の遊郭に引けをとらんと
奉行が作り上げた
品格ある江戸の女性と
その運命の切なさ。
最初のお侍は後半の布石かと深読みしたので案外爽やかに終わった感はありましたが、物足りなさはありません。
なんとも美しく
悲しい御伽噺でした。
大人の女性にオススメかも知れません。