瑠愛

愛と憎しみ
人々が争い乱れる戦国を思わせる時代背景。
美しさと残酷さをもった描写に引き込まれ、その時代に一気に入り込んでしまいました。

自分の大切な家族、そして愛する人を奪われた雪。
彼女の憎しみや悲しみが痛いほど伝わってきました。
そして、雪のすべてを奪った冷酷無慈悲な成光。
彼の悪行に目を覆いたくなりました。
しかし、同時になぜここまで無慈悲な人間になってしまったのか。
彼の隠された何かがとても気になるとともに、可哀そうに思えました。

憎しみの感情に生かされた雪が救われる日は来るのか。
そして成光が愛を知る日は来るのか。
この先の展開が気になって仕方ありません。

人間の本質に迫った、愛憎入り乱れる素晴らしい作品です。