アサイ
偶然の確率
各駅停車のサイドストーリーとなるこの作品。
唯子目線とはまた違った広輝目線に胸が踊りました。
各駅停車で、ラストを知っていたのに、ページを捲る手が止まりませんでした。
お互いにお互いを意識し合い、懐かしい初恋相手を追いかける唯子、淡い期待に賭ける広輝。
両想いだったのに、想いを直接伝えきれず、すれ違ってしまった過去の2人。
だからこそ、ラストの向こう側に改札口を2人並んで抜ける姿を想像してしまいました。
想像というか、寧ろ、願望ですね。
物語のベースとなっている「電車」と「過去の初恋」は同じなのに、視点が違うだけで雰囲気をガラリと変えられる作者様の文章力、表現力が光る作品だと思います。