高瀬なるみ

皆が季節に囚われていた――
読めば読むほど深い話になっていき、複雑で、
目が離せないお話でした。

次はどうなるかな、真相は、などといつも気に
なっていました。
読み終わった今はまた一から読み直して、違っ
た視点でストーリーを読みたくなります。
魅力的な作品でした。

恋愛だけではなく友情や家族についてなど色ん
なテーマが話の中で出てきて、
キャラがとても濃く、それぞれの葛藤と覚悟と苦
悩とエゴが書かれていて、まるでドラマを見てい
るような気分でした。

家族構成や登場人物が多くて複雑なはずなの
に、全員すごく印象に残っています。
悪役だと思っていたキャラもなんだかんだ憎めな
かったり、それぞれ事情があったんだと分かっ
たり。
下巻を読んだら、上巻で抱いていた印象がとて
も変わったキャラクターがたくさんいます。深い
です。
ひとつの視点だけではなく、色んな視点から見
て、考えさせられるお話です。
最後のシーンはじわりと胸が温かくなりました。

このお話を読んでよかったな、と心底思っていま
す。
素敵なお話をありがとうございました。