累以

現実は楽しい事ばかりじゃない (´□`。)
複雑な家庭環境で育った筆者の幼少期から大人になるまでを描いた作品。

7匹の犬とのふれあい。
中でも人間に媚びない1匹の犬アンが、少女の心を支えていた。

愛犬との思い出話だけではなく、多感な年頃に経験した苦悩や友と過ごした楽しい時間、本人にとっては奸計だったであろう胸の内なども赤裸々に綴られています。

表紙に書かれたメッセージを目にしたとき、ありふれた話ならば読了せず、途中でBOOKを閉じようと考えていましたが、興味を殺がれる事無く、ラストまで読み切っていました。

私が注目したのは、犬達とのふれあいではなく、筆者が歩んで来た道程そのもの。

決して恵まれているとは言えない境遇で、新しい家族への遠慮や我慢は少なからずあったでしょう。
けれど、萎縮せず真っ直ぐ歩んで来た筆者。
そこには、やはり愛犬の存在が欠かせなかったのかもしれません。

作り物ではない現実を、飾り過ぎず、劇的になり過ぎず、素直な言葉で語っています。

読む方によっては、人生観が変わる1作となるかもしれません。