うのたろう

金色のノスタルジー
この作者さまは、どまんなかを書かせたら天下一品です。

ダーツの20点のさらに中心を迷わず射抜く精度の持ち主。

まずはなにもいわずに反射的に拍手です。

物語は、不器用なこどもたちの成長と三角関係。

高校を卒業してからの10年間は長いようでとても短い。

そのなかで目に見えた成長をするおさななじみと、なにひとつ変われない主人公のあたし。

そして大切なもうひとり。

この三人のキャラクターのベタさがいい。

赤、青、黄色の信号機みたい。

たとえひとりでも精度がぶれて違う色になってしまったら、こんなにうまい作品はできません。

またこの作品は全体的なノスタルジックなにおいもいい。

鼻からはいって、胸につんと染みてくる。

いもむし、蝶、蛾。

そんなイメージの三人。

あなたは誰に自分を照らしますか?

おすすめです。