どうしよう、フジが・・・フジが、リスカしちゃった。
今すぐ病院に来てよ、キヨ。
このままじゃ、フジが死んじゃうかも知れない。
泣きじゃくったヒラから電話が掛かってきたのは、
真夜中の2時を回った頃だった。
「昨日、フジと一緒に実況を撮る予定で・・・。それで、家に
行って・・・それから、出てこないからおかしいと思って。」
鍵は開けっ放しの状態だったんだとヒラは言った。
静まり返った部屋の中に入ったヒラは、フジの声がしないのを
おかしいと思い、部屋中隈なく捜したらしい。
そして、見てしまった。リストカットして倒れているフジを。
一気に空気が冷たくなって、息ができなくなった。
鉄が錆びついたような匂いと、血を流して倒れているフジを
見た瞬間、ヒラは絶望を感じたと。
こーすけが後から行った時には、発狂した様に叫んだヒラと
そこに倒れていたフジがいて、救急車を呼ぶ事を忘れるぐらい
すごい光景が広がっていたんだと、後から聞かされた。
睡眠薬を大量に飲んでリストカットまでしたんだ。
精神的に追い詰められるぐらいの何かが起こってる。
フジがこんなになるまで追い詰めるのは何なのかを早く
突き止めない限り、何度でもやるだろうと思ってこーすけを
引き連れて手ががりを探す事にした。