不思議な少女は、俺の部屋に住み着いた。見慣れない制服、聞いたことのない名前、でも、……突き放すことは出来なかった。
今でも覚えてる。あの日のことを、
「ここに置いてください。」
「は?」
冬のある日、凍え死にそうなくらい寒い日に
君は玄関の戸口の前で座り込んでいた。
「ダレ?」
「カンナです。」
「いや、ごめん。知らない」
無表情な少女はこちらを睨みつけるように見つめてきた
「ねえ、恋したことあんの?」
「無い。でも、優しくてもかっこよくても自分よがりの奴は嫌い。」
「それ誰のこと言ってんの」
君は言った。
どうか、私のことを忘れないで