引き込まれる
主人公達が演劇部ということで、キャストやスタッフなどの関係もあってか登場人物が多いですが、ちゃんと一人一人の個性がしっかりしているため混乱することなく読むことができました。演劇部ならではの状況というのも分かりやすく表現されていて、そちらも疑問を感じることなく読み進められました。
途中途中の脚本の引用も詩音がジュリエットという役に向き合う過程が伝わってきて、彼女だけでなく自分までもがどんどん「ロミオとジュリエット」という世界、舞台に引き込まれていきました。またこの引用があったことにより、今まで話の内容を知らなかったにも関わらず物語を理解することができました。
ジュリエットを通して「好き」という気持ちに向き合う詩音の感情の変化というか流れというか、それも凄く自然で共感できました。恋愛感情だけでなく詩音にはとても入れ込んでしまって、彼女が限界を感じる場面は思わず一緒に涙がでてきました。
最後には幸せそうな二人を見ることができてよかったです。