夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく

作者汐見夏衛

マスク依存症の優等生な少女・茜。絵描きを目指す自由奔放な少年・青磁。

――マスク依存症――



どこにいても息苦しくて


世界は暗い灰色で



そんなとき、君の絵に出会った



「俺はお前が嫌いだ」

「お前を見てると苛々する」


冷たくて残酷な君だけど



「俺は天才だからな」


その手が描く色鮮やかな世界は


あまりにも綺麗で

あまりにも優しくて



「今からお前に世界の全てを見せてやる」


君が私の世界を変えてくれた



「もうお前とは会わない」


それなのに、どうして

私から離れていくの?





〈丹羽 茜〉


マスク依存症の少女

心に負った深い傷が癒えないまま

優等生を演じて生きている



〈深川 青磁〉


画家を目指す少年

自由奔放で好き勝手な性格

誰にも言えない秘密を抱えている