ろな

現実、愛執、夢想、暗涙、葛藤、愁心、愛惜、愛慕――
現実を見て、愛情を断ち切れず、夢にまで想い、ひそかに涙し、矛盾する心を抱えながら、心を痛み悲しませ、失いたくないという気持ちを強く持ち、深く愛し慕う――

ああ、難しいな、と思います。


この作品には、本当に泣かされました。

決して、恋愛は楽しいだけではない、綺麗なわけない。それでも――そんな叫びが痛いほどでした。

主人公・真奈にはヒヤヒヤさせられっぱなしでしたが、過ちがあったからこそ成長していける彼女は、褒められたものではないにしろ、心に訴えかける何かを持っていました。


姉妹愛、仲間意識、恋
たくさんのものが詰まっている、苦くも暖かい宝箱。そんなお話でした。


シリーズもので、確かに長いのですが、その分の重み――心理描写、感情の移り変わり、心の成長……どれも手を抜くことなどなく、つくられている作品です。

気づけば、時間を忘れて読み進めてしまいます。



どうか、この作品が、たくさんの人の心にふれますよう……



長文・散文、失礼しました。