理香

津波の恐怖
作者のサナさんは、普段から医療現場の第一線で活躍なさっています。


先日の東日本大震災の折も、被災地である茨城県の病院で働いていました。


地震発生直後、患者さんを安全な自宅に送るべく、送迎車のハンドルを握っていたのです。


しかし液状化現象を起こし陥没した道路に送迎車は転落!


「総員退去!」


サナさんは叫びます。


高齢のため事態が飲み込めない元海軍所属の老人。
パニックの余り避難もできず、泣き叫ぶ半身不随の婦人。


サナさんの双肩に患者さん達の命がかかっています。


そこに、かつてない大規模な津波が襲いかかろうとしていました!


息もできない地震や津波の恐怖と同時に、医療従事者としての使命を果たそうとする作者の誠実さに胸を打たれます。