麻井深雪

色彩豊かな綺麗な世界
ある日突然、悠の目の前に現れた記憶喪失の幽霊の女の子。
彼女を「レイ」と名づけ、彼女の正体を探す物語。

消えたり現れたりするレイに、きっと生霊なんだろうなというところまでは想像がつきましたが、なぜ悠の前に姿を現すのかが気になって一気に読み進めました。

幽霊のレイが腕の中で闇に溶ける瞬間、そして消えた後の喪失感。

満月の光がレイの身体を透けて黄金色に輝く瞬間。

あるいは光のない病室なのにレイが本体を離れて現れることで、世界が色づくという物悲しさ。

とにかく幽霊のレイを表す、多彩な表現力にうっとりと綺麗な世界に浸ってしまいました。
綺麗な世界観が好きな方にはとてもオススメです。

レイとの別れのシーンは綺麗な中にも切なさが溢れ、涙ぐみました。

最後の怜奈との再会シーンは果たして悠の記憶があるのか、という緊張感の中で、悠の名前を呼ぶシーンには鳥肌が立ちました。

読み終えた後は切ない気持ちでいっぱいになりましたが、希望を残してくれたラストがまた素晴らしかったと思います。