梨藍
秀逸なファンタジーの序章
パンドラの箱……それはかつて人々に災厄をもたらした神話の産物です。
しかしてその箱の底には“希望”が残されている。
まさに、この話の根本にある思想ではないかと思います。
パンドラの箱を開けたのは“人の欲、驕り”
鍵は私達“人”が持っているのだと……
そして既に開き掛かっているのかも知れない……
読み進めていくうちに、あなたの脳裏で警鐘が鳴り響くはず。
そんなファンタジーでありながら、妙にリアリティ溢れている未来が描かれた作品です。
そしてキーワードとなっている“鳥”。
絶望を運ぶモノ
希望を与えるモノ
全てが“鳥”の存在に集約されています。
何より、題にもある通りこれは単なる序章に過ぎないのです。
静嵐と霄瓊、そして湧碕を待つのは破滅かそれとも救済か……
そんな未来に思いを馳せながら、一読してはみませんか?