結記芽
わたしについて
ずっと人と同じが嫌だった。
目立つためには、奇抜ではなく有能であるべきと、どんな小さな役割、仕事もある程度トップを極めた。
有能な人はさほどいず、かと言って無能な者もまたいない。
だから私は『非凡』になりたいと生きてきた。
長く付き合った男を捨て、五股のうちの一人、遊びで付き合ってた男に本気になり、そして妊娠した。
だけど。満たされる事なく、常に浮気の不安に怯え、生計を支える仕事に没頭するうち。そんな私が好きだという人が現れて離婚。子供は一才半だった。
ドラマのような非凡、愛される日々。
そして子どもと会えない事との葛藤や罪悪感。どこまでも自分を探す私は最後。子どもの為に旦那のところに戻った。書くことにたどり着いたのはそんな時。人より優れたものが書けなくてはペンをとってはいけないと思ってた。だけど今。平凡こそが語られるべき最高の非凡だと、胸を張って言いたい。
書くことは自分のため。
私の中の、本能。
平凡を見失わない道標だから。