からっぽ の 部屋

作者沙雛 レイ





その部屋は、大抵の物は有った





食べ物だって


ゲーム機だって


トランプだって


ソファーも机も家具も




欲望だって






それでも、無い物が有った






【愛】が、どこにも


きっと


どこにもなかった







「・・・からっぽ」




「へえ?自分も似たようなもんなのに?」


―――・・・そんなこと、言うんだ?