ゴー・オン・ザ・ステージ

作者水原あさり

「女優になりたい」
そう思ったのはいつだっただろう。

学生時代、演劇部に所属していた私は
ずっと葉子と一緒だった。

二人は、それぞれ夢に向かって
歩き出す。

「女優になりたい」


そう思ったのはいつだっただろう。


演劇部唯一の同期である、

容姿端麗な葉子と地味な私は

ただ〈演劇〉というものによってつながれている

不思議な関係だ。


「女優になりたい」


葉子を見る度に、

その想いは傲慢な願いではないかと

思ってしまう。


でも、その一歩を踏み出してしまったからには

もう止められない。


私は一体どこに向かうのでしょうか。


おしえてください、

葉子。