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事件は驚きの大きさ。世界を手中にするために動く陰謀。けれど当事者が望むのはおいしいおでん。断然、読みやすくなっていて驚きました。読みやすいのに、大きな世界観。バベルの謎とその手法が鮮やかに解かれていきます。第一部からキャラクターはとても魅力的でした。浅井刑事がのほほんとした顔からついに見せる本性。米大統領と対峙している顔こそが、彼の真の姿なのでしょう。格好いいです。そして拓未と拓也兄弟の本当の方向。向いている向きは一緒なのに、すれ違ってしまう哀しみは、どうにもならなかったのですよね。物語の核にふさわしい、複雑なのに、どことなく共感してしまう関係の書き方は見事でした。完結したばかりですから、これから手直しが入れば、もっとストレートに伝わる良作になると思います。