神水紋奈
乗り越えるということ
美しいお話でした。感嘆のため息ばかりが漏れました。
丁寧で、豊かな語彙力を感じさせる文章と描写に、人間ではない生き物達が確かにそこに息づいているのを感じました。
ここまで美しいファンタジーは、なかなか見ることができないと思います。
この素敵な世界の虜になってしまいました。
ファンタジーとはなんたるかを、この作品から感じてもらいたいと思います。
涙という名を持つハーフエルフのラルムの、安易には口にできない過去。
心優しいハーフオーグルの青年であるダルフェイと一緒にいることで見つけた、確かな愛。
それはラルムが葛藤を乗り越えたからこそ手に入れられたものなのでしょう。
「憎しみを憎しみを持って克服することは、決してできない」、作中のこの言葉に心を奪われました。
描写、構成ともに、本当に素晴らしい物語です。
ぜひ、貴方もこの幻想世界を感じてみませんか?