作品コメント

乗り越えるということ
美しいお話でした。感嘆のため息ばかりが漏れました。

丁寧で、豊かな語彙力を感じさせる文章と描写に、人間ではない生き物達が確かにそこに息づいているのを感じました。

ここまで美しいファンタジーは、なかなか見ることができないと思います。
この素敵な世界の虜になってしまいました。

ファンタジーとはなんたるかを、この作品から感じてもらいたいと思います。


涙という名を持つハーフエルフのラルムの、安易には口にできない過去。

心優しいハーフオーグルの青年であるダルフェイと一緒にいることで見つけた、確かな愛。

それはラルムが葛藤を乗り越えたからこそ手に入れられたものなのでしょう。

「憎しみを憎しみを持って克服することは、決してできない」、作中のこの言葉に心を奪われました。

描写、構成ともに、本当に素晴らしい物語です。
ぜひ、貴方もこの幻想世界を感じてみませんか？

綺麗！
なにが綺麗って、何もかも

文章力や描写はもちろん、思い浮かんでくる景色が綺麗です

美しい湖を想像して、読んでるだけでラルムたちと同じように、景色に感動しました

異端な存在の差別や迫害…
人として、物語を通し読者が考えさせられることですね

けれど心を許し愛し合う二人が、お互いを大切に想い合えることで自分自身を愛でることができるのは素敵なことだと思いました

素敵な作品、ありがとうございました！！

素晴らしい
感動！
一気に引き込まれました。
『文字』なのに、まるで『美しい絵』が見えるような描写も素晴らしかったです。
読み終わったあとは、自分の心が何倍も綺麗になったような余韻に浸りました。

世界と心の狭間で
丁寧で美しい描写に人々の想いが見事に重なる、とても魅力的な作品。
構成も過去の挟み方も見事。

両性具有の主人公が持つ暗い過去と、現在その人が住み暮らすサルマキスの湖畔の景色との、あまりにもかけ離れた二つの世界が物語を素晴らしいものに仕立て上げています。
ギリシャ神話にも出てくるその湖の話を思い出させたり。
そして、いつの間にか、瞼の裏に景色が浮かんでくる。読者はハーフエルフの目線で、ハーフオーガの心で、ドワーフの手で、人間の耳で、全てを体感することが出来ます。個性豊かな登場人物を皆好きになれる。悲しくて、優しすぎる。

そして、その人自身の外見も内面も全て受け入れ、その人として愛することの大切さ。
常日頃から大切に思うべきことですが、この作品はそれを深く胸に刻み付けてくれます。


まさに、今現在人々の心に届けたい物語です。

好き！
すごく綺麗で、素敵なファンタジー小説でした。

キャラの一人ひとりがとても魅力的で、話の構成もしっかりしているものですから、ぐいぐい引っ張り込まれました。

読みながら、いろいろな登場人物の思いに、それぞれ共感してしまって、とても切なかったです。
幸せで美しく、なのに切ない。そんな風景の描写が多いせいかもしれないですね。

美しくも儚い、綺麗で純粋な世界です。

是非読んでみてください！
とても素敵なお話ですよ☆

すごく良かった
完全にジャケ読みです。トップページのイラストが綺麗だったのでつい読んでしまいました。


正直、すごく良かったです。


ひさしぶりに心から感動できるファンタジー小説に出会ったなと思いました。



人間とエルフの混血で、しかも両性具有という体で生まれたために差別と蔑みと虐待を受け、誰にも心を許さずにただ一人で森の中に住むラルム。


村を襲ったオーガーに犯された娘から生まれ、養父に森に捨てられた少年ダルフェイ。


恵まれない境遇に生まれ、辛い過去を背負ってきた二人が出会い、共に支えあいながら生きていく感動の物語。




美しい湖畔の風景が脳裏に浮かぶような丁寧で分かりやすい描写。


よく練り上げられたストーリーと選びぬかれた言葉。


そして、登場人物たちの心理描写は秀逸です。


トッドやレィスアルといったサブキャラクターたちもはっきりとした個性を持っていて、作中で詳しく説明されていない彼らの気持ちや想いまで伝わってくるようでした。