中学2年生・上野守は、大のカフカ・ファンで勉強も部活もサボって読書三昧。クラスのアイドルから告られても拒否する始末。それを逆恨みされて野球部員から襲われてしまう

竈山中学(かまやまちゅうがく)2年生・14歳の上野守(うえのまもる)は、小学6年生の時にたまたま読んだカフカの「城」を読んでから勉強・部活動(柔道部)そっちのけでフランツ・カフカの翻訳本を読みふける毎日だった。友達もガールフレンドも作らず、ゲームもしない日々だった。クラスのスクールカーストで最低ラインにとされても一向に気にも止めなかった。ただ守の読書感想文だけは国語教師~谷崎純平(たにざきじゅんぺい)の心を捉えていた。太宰治や有島武郎のような文学者との心中を夢見ている、スポーツ万能にして成績優秀、タレントでもある小倉祐実(おぐらゆみ)は密かに守を想っていた。そんなある日、守は祐実から告白を受ける。守は興味が無いからと交際を拒否する。それを盗み見ていた祐実命の野球部員~志免幸一(しめこういち)は逆上して守を背後からバットで殴り付ける。自分はこれで死んでしまうのだ、と確信した守は、カフカ作「審判」の最後の台詞~「まるで犬だ」を呟きながら倒れ込む。病院で目覚めた守はカフカの本を一日中読んでいられる今の病室の環境に感謝し、親と共に謝罪に来た幸一にも恨んではいない事を告げる。怪我が直り、学校に復帰した守を中学の不良グループが襲うが、野球部をクビになっていた幸一に助けられる。幸一は守を「カフカくん」と呼ぶび、守の最初の友達になる事を宣言する。その後、守が書いたカフカの読書感想文からインスパイアされた小説で新人文学賞を取り、晴れて作家になった谷崎純平とアイドル小倉祐実がビルの屋上から同時に飛び降りる心中事件が発生した。守の本当の父親が実は幸一の父だったことを母親から告げられた守。幸一の父は宗教政党の参議院議員をしており、幸一の父は、守にも日本最大の宗教団体である蓮如会への入信を勧める。3年生になり、進路をどうするか尋ねられた守は、「カフカになります」と断言するのだった。