だから私は雨の日が好き。【秋の章】【完】

作者月影 雫

また苦しい季節がやってくる。それでも色鮮やかで忘れられない季節。ねえ、湊。まだ忘れられないよ。大切なものを探して今日も『今』を生きるOLの物語。第三章。





よく晴れた空を見る。




今日も空は高くて、


青が色濃く映えている。





もう、届かないのかな。





冷たいけれど、凛としている。


それは、私が良く知っている


その背中みたいに。





ねえ。


そっと問いかける。


返事が返ってこないことも


私にはわかってる。





悲しみばかりが、積もるよ。


切なさばかりが、積もるよ。





まだ、恋しくて堪らない。


まだ、好き過ぎて堪らない。