未来陽(みらいび)Ⅴ ―――“陽蝶”の初恋の終わり。 ―――【完】

作者🐱チビ🐱

未来陽、最終章。

可能性は、無限に有る。
現実は、1つしか無い。

誰だって、何かを選択して何かを捨てて行く。

現実を作るのは、いつだって僕等―――。








人を、許す事が出来たら








「謝ら無くて良いから、太陽を返して。」








人は、楽に成れる。








「杏の母親だったら、苦しかったね。


辛かったね、って。


抱き締めてあげると、思うけど。


無理なの。


私は、太陽の母親だから。」








解って居るけど、出来ないの。








今は仕事で居ねぇけど、ムガが居ても俺と同じ様に。







独りなら、結局、独りよがり。








彼に、会いに行くの。








物語、は


遂に、最終章へ。









最後に成る、可能性が大だから。








最後?


と、聞か無かったのは






「違ぇよ。


理事長的な、配慮だから。」








最後、と。


言われるのが、怖かったから。








「聞いた事が無かったな、って。」








“確信”を突くには、勇気が必要。








「裏切り者が、居るんじゃ無いか?


って、話だよね?」








それでも








「信頼を置く、価値の有る奴だ。


俺が、保証する。」








疑いや押し付けは、心を蔑み壊す。








恋、したんだ。








人って、面倒臭い。








「愛して貰えなくて良いから、必要とされたかったんだ。」







思い合って居ても








「飼い犬だって、思った事は無いから。」








僕等は、同じ愛を持て無い。








「だったら


てめぇに取って、俺は何な訳!?


介助犬、かよ!?


もう利用価値が無いから、既に捨てたつもりかよ!?」








僕等の手の形が違う様に、僕等の心は違う。








「勝てる、自信は無いけど。」







僕等は、同じ者には成れ無い。








「比べる、必要は無いのに。」








もう、開き直ろう。








誰かと、違う事は








人と違う事は、悲しく無い。








誰かは持って居ない、魅力を持って居ない魅力を持って居る事なんだ。








人と違う事は、素晴らしいから


人と違う事は、嬉しい事なんだ。








「5年後の今日、結婚式をしよう。」








運命の日が、来た。








「太陽は、居ねぇ。」








運命の人は、居ない。








「ごめんね?」








それでも








杏?


生きろよ。








何が有っても、何もかもが無く成っても








ねぇ、太陽?


私は、生きるよ。








僕等は、生きて行く。








“愛”が、狂って


愛くるしい。









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