毎晩、
安っぽく嘘だらけの愛が飛び交う
この世界にいると
本当の自分が分からなくなると
誰かが言っていたけど
本当の自分なんてやつは
もともといないじゃないかと
姉やは言った
銭が飛び交う布団の上で
欲にまみれた野蛮な手に抱かれ
信じられるものなど
何一つなかった
でも。
それでも私たちは
心のどこかで愛を求めていたし
信じることを完全に忘れたわけではなかった
一晩限りの儚く散る愛でも、
縋りつきたくなる夜があった。
ウスバカゲロウ
毎晩、
安っぽく嘘だらけの愛が飛び交う
この世界にいると
本当の自分が分からなくなると
誰かが言っていたけど
本当の自分なんてやつは
もともといないじゃないかと
姉やは言った
銭が飛び交う布団の上で
欲にまみれた野蛮な手に抱かれ
信じられるものなど
何一つなかった
でも。
それでも私たちは
心のどこかで愛を求めていたし
信じることを完全に忘れたわけではなかった
一晩限りの儚く散る愛でも、
縋りつきたくなる夜があった。
ウスバカゲロウ