教室の隅っこ。彼のヘッドフォンからは何が流れているのか気になった。君は、どうして一人に慣れているの。
教室の隅っこ。
「……………」
誰とも会話することなく、
真っ直ぐ前だけを見つめる彼。
そのヘッドフォンで何を聴いているの?
毎日、そこで何を見ているの?
どんな人か気になって仕方がなかった。
「ねぇ、今の。
すごくわかってると思わない?」
「……へ?何を?」
「及川さんのこと」
そう言って、優しく微笑む彼に、
私は心臓を鷲掴みされてしまった。
好き、……大好きだよ。