春日 ココ。

最後の嘘
「10:9の愛情より5:5の愛情の方が続く」

そんな話を聞いた事があります。気持ちの強さの話です。
お互いにお互いを想い合っていてもバランスが崩れると続かなくなる。



亮介の事がいつまでも変わらずに大好きな結衣。
いつだって笑顔で亮介に接する彼女。

けど大好きだからこそ彼の心の機微に気が付いてしまう。
彼の心が離れていく事に気が付いてしまう…

「最後にだけ嘘をつかせて」

最後まで亮介を想い亮介の選んだ別れに従った結衣。
最後にだけ、嘘をついた結衣。



亮介に吐いた嘘は最後だけかもしれない。
けれど、本当は結衣は何度自分に嘘を吐いてきたんだろう。
何度、気が付かない振りをしたんだろう…。


彼女の笑顔に胸が痛みました。

どうか、この嘘こそが、彼女の最後の嘘になるように…
今度は「寂しい」と言える人と出会えますように…そう祈って止みません。



とても繊細な「嘘」と「本音」と「感情」をデリケートに描いた作品です。
切なくて、苦しくて…

心に迫るとても素敵なお話でした。
ありがとうございました。