花村うる子

淡い
薄い紫の皮膜が
ツーッと漂っているような
透明な物語です

大人達の都合で歪められたり
規制されたりする生活の中で
幼い二人は各々の足で立つ強さを身に付けながら
寄り添い
純粋な愛情を育んでいく
たどり着く場所は誰にも分からない
分からないけれど
きっと光で満たされているであろうという期待

比喩がとても美しいです
月、太陽、船、灯台、鳥
どれもこれもがピッタリときて
とても美しいです

個人的には
状況設定が少しわかりにくい点がありましたが
(例えば、矢楚がどのくらい広香の家庭事情を知っているのかわかりにくい、など)
それも作者さまの力量に敬意を持った上での
いち読者のわがまま、期待であります
期待を込めて文句なしの☆4.5です
更新、すごく期待しています!