長年欠員している杜鵑花の姫君。彼岸にて、姫君の器を見つけた。強制的に異世界へと連れてこられた娘を愛したのは、極悪非道と名高い盗賊の頭だった。二人が再び出逢う時、運命が大きく変わる。

「この世界で俺と共に生きろ」


「出来ない」


「――そのうち、嫌でも帰りたくなくなる」


「そんなこと、ないっ」


「元の世界で、お前を満たせる奴などいない」


─彼の囁きはとても甘い。


─言葉が呪縛となって、心を縛り、拒絶などできなかった





─連載開始28.01.22─