朱蘭の紅姫と龍翼の紫龍が消えた―……。それは新たな物語の始まり。
ふわり、揺れる漆黒の髪に
流れる一筋の紅い髪。
切れ長な灰色の瞳と薄い唇は
弧を描き妖艶に微笑む。
『約束を果たす為に裏切った。
ただ、それだけ』
さらり、流れる艶やかな紫の髪に
切れ長な深紅の瞳は鋭く、
緩やかに口角を上げた。
『最初から、ああするつもりだった。
その結果だ』
裏切り者の2人は
酷く妖艶に微笑んで穏やかに言う。
「裏切ったのは私」
「俺は裏切り者だ」