心菜 りず

綺麗な言葉で綴られた一本の線
短編は、長さがない分そこに様々な
ものをその短さに詰め込まなければ
ならない、難しいものだと思ってい
ます。

この作品は、花言葉の存在を全面に
出しているのに、 まるで一本の細
い線で繋がっているような自然な流
れで、お話が展開されていく。この
長さに、沢山の想いが詰め込んであ
る。これは、豆雨さんの器量でこそ
出来るものだと思いました。

また、主人公がクールな性格なの
に、気持ちがありのまま伝わってき
たところもステキでした。

“ 異様に鳥肌が立った。”という
ところで思わず私も鳥肌が立った
り、読み終わったときに気が付いた
ら涙が出ていたり。ただ読むだけ
じゃなく、主人公と同じように気持
ちを移り変えながら読むことが出来
ました。